夏は汗をかくのに太りやすい魔の季節

「主食には糖質とともに食物繊維が含まれていて吸収がゆるやか。一方でコーラやソーダなどの飲料は糖が過剰なうえに、吸収もされやすい。添加糖は肥満や糖尿病、老化の原因になりやすいと考えられています」(吉木医師)

夏は清涼飲料水のおいしい季節だが、糖が添加された飲み物はダイエットだけでなく健康の観点からも避けたほうがいい。

ところで贅肉には二種類あり、外からつまめる「皮下脂肪」と、体の奥にたまって外からつまめない「内臓脂肪」がある。体に悪いのは内臓脂肪のほうで、これも糖質の過剰摂取が大きな要因だ。内臓脂肪型の肥満は、肥大化した脂肪細胞が血栓を溶けにくくするPAI-1(パイワン)など体に有害な悪玉ホルモンを分泌しやすい。

「男性に多い、胃のあたりからおなかがぽっこりと出る肥満が、内臓脂肪です。CT検査で測定される内臓脂肪面積が100平方センチを超える人は生活習慣病リスクが高まるというデータがあります。内臓脂肪面積100平方センチに相当する目安として、国内では腹囲が男性85センチ、女性90センチを超えるかどうかが特定健康診査(メタボ健診)の診断基準になっています」(望月氏)

肥満の防止・改善のためには、まず飲料を中心とした吸収されやすい糖を過剰に取らないことと、そして糖を消費するためにこまめに動くことが必要。運動によってエネルギー消費率が高い「筋肉量」が増加すれば、基礎代謝量がさらに上がることも期待できる。

「硬いものをよく噛んで食べることも交感神経を刺激して消費を高めますし、温かいもの、香辛料のきいたもの、カフェイン入りの緑茶やコーヒーを飲むこともエネルギー消費を高めます。運動と併用して、消費が高まる飲食習慣を取り入れると、ダイエットの効果が高いでしょう」(同)

これからの時期は、意外にも太りやすい季節。体温維持にエネルギーを使わないため基礎代謝量が落ち、活動量も減りやすく脂肪がつきやすい。糖質の代謝には豚肉などに多く含まれるビタミンB1が必須のため、ソーメンなどの糖質主体のあっさり食もダイエットにはNG。カロリーや糖は少なめに、栄養素はタンパク質を中心に幅広く。そしてこまめに動くことで、痩せやすい生活スタイルを習慣にしたい。

(写真=PIXTA)
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