子育てに親はどう関わるのがベストなのか。東京大学経済学部の山口慎太郎教授は、「2歳半時点の言葉の発達では、保育園に通う子は通わない子より偏差値換算で6~7くらい高い。子どもを保育園に預けて働くことに罪悪感を覚える必要はありません」という——(後編/全2回)。

※本稿は、『プレジデントBaby 0歳からの知育大百科2020』の一部を再編集したものです。

勉強中の男子
写真=iStock.com/kyonntra
※写真はイメージです

●各論2

パパの育休が家族にいい影響を与える?

YES 
父親の子育てや家事の時間がUP

「実は、日本の男性育休制度は世界トップレベルなんです」

山口さんによれば日本の育休期間の長さは1年と、先進国の中で第2位。給付金の割合も給与の67%とドイツやフィンランドと並ぶ手厚さだ。

“制度だけ”は北欧のどの国より長い 男性に認められている育休の期間(週)

しかしながら、現実の男性育休取得率は2018年で約6%と低いままだ。

「北欧の取得率は7割であることと比べるとかなり低いです。しかも制度上は1年取れても、実際に取得している期間は数日から1〜2週間程度と短い。せめて1カ月は取ってほしいところです」と山口さんの言葉に力が入る。

山口さん自身は子どもの誕生直後に1カ月子育てに専念した経験がある。この1カ月で自分の中の価値観が大きく変わったそうだ。ここから紹介する男性育休の好影響を知れば、世の父親は育休を取りたくなるかもしれない。

「個人的な意見ですが、男性が育休を取るのにベストなタイミングは子どもが生まれた直後や、退院してきた直後など早い時期。母親も初めての子育てで戸惑っているときに一緒に育児経験を積めるからです」

好影響の一つは父親が育休を取ることで、その後の子育てに積極的になることだ。

「『短い育休をとってもあまり効果はないのでは?』と考える人には、カナダのケベック州の調査を知ってほしい。父親が育休をきっかけにその後も熱心に家事、育児に関わるようになったことがわかったのです」

ケベック州で、父親の子育てや家事時間を育休改革前と改革後1〜3年の期間を比べたところ、子育て時間は1日平均1時間30分から1時間50分に増え、家事時間も1時間10分から1時間25分と増えたのだ。

日本では父親の家事関連時間は34分、育児時間が49分(16年社会生活基本調査)という現実と比べると、15分や20分アップしただけでも、その効果は大きい。

「男性育休の効果が、数年後も続いていることに注目してほしい。たった数週という短い育休でも、当事者意識が生まれたり、育児が楽しくなったりするのでしょう」

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