そしてビタミンCにも、マクロファージやNK細胞を活性化する効果があります。ブロッコリーの茎に豊富に含まれているので、薄く切ったり、茹でたりして調理するのがおすすめです。同様にビタミンCを含んでいるキャベツの外側の葉と芯の部分は、細かく刻んだり、ザワークラフトにしたりするといいかもしれません。
ただし、免疫力が高まるからといって、特定のものばかりを食べてはいけません。食事のうえで大切なのは、一定の食材に偏らず、栄養バランスよく食べることです。そして免疫力向上のために、嫌いなものを我慢して食べるのも禁物です。その気持ちがストレスになって、免疫力が下がりますし、何より食べすぎは体によくありません。腹八分程度のほどほどの食事量を心がけながら、家族や友人と一緒に、気楽においしく食べるのが消化もよくなって一番です。
(2)腸内環境
腸内には体内の免疫細胞が集中する
腸は臓器の中でもっとも長く、約9mもあります。そして小腸と大腸を合わせた腸管に、なんと体内の免疫細胞の60~70%が集まっているのです。
というのも小腸は食べ物から栄養を吸収すると同時に、病原菌の侵入を防がないといけない臓器であるからです。小腸の粘膜に分布しているパイエル板という器官に、大量のリンパ球が密集しています。この腸管の免疫システムを整えておくことが、免疫力を落とさないうえで何より大事です。
そのカギを握るのが、腸内細菌です。腸内細菌には、消化吸収の補助や免疫刺激などの健康維持を導く善玉菌、有害物質をつくり出す悪玉菌、どちらでもない日和見菌の3種類があります。善玉菌が悪玉菌より少なくなると、その影響を受けて悪玉菌に加勢する日和見菌も出てくるので、善玉菌>悪玉菌の状態をキープしなければいけません。腸の免疫細胞が活性化するのは、善玉菌:日和見菌:悪玉菌「2:7:1」の状態です。長寿国のグルジアでは、年配の方の腸内に善玉菌が非常に多い、という報告もあります。
どうやって善玉菌を増やせばいいのかというと、効果的なのは、プロバイオティクス食品を摂ることです。プロバイオティクスとは、生きたまま腸に届いて、腸内環境を整えてくれる微生物。もっとも代表的なのは乳酸菌です。
乳酸菌を手軽に摂取できる食品といえば、ヨーグルトです。乳酸菌は小腸の粘膜をほどよく刺激して、免疫力を活性化させます。死んで腸に届いても食物繊維と似た働きで、腸をキレイにしてくれる効果もある。ビフィズス菌は乳酸と酢酸をつくり出し、酸に弱い悪玉菌の増殖をおもに大腸で抑制してくれます。