合計40キロの減量に成功
僕の大失敗“ダイエット”ほど極端ではなくとも、たとえばランチを抜いたり、脂肪燃焼サプリメントを飲んだり……といった経験がある人もいるのではないでしょうか。肥満の解消に食事と運動が重要であることはもはや常識ですが、それを知りながら多くの人が取り組んでいるダイエットの方法は、意外と誤っていることが多いのです。
あれから3年。多少の上下はありましたが、僕は現在体重75キロ±3キロをキープし、合計約40キロの減量に成功しています。
ここ数年の取り組みから、ダイエットには正しい情報とそれを実践する工夫に加え、もうひとつ大事なポイントがあることがわかりました。これは同時に、多くのダイエットが失敗してしまう理由にもつながります。
それは、成功するダイエットに必要なのは、意志の強弱によらずやせていくような環境を作ることだ、ということです。
ダイエットの成否を「意志の問題」と決めつけてしまうのは、本当はとても危険なことです。もちろん、それにより鼓舞される人もいるでしょう。一方で、これは「やせるための環境が整っている人」「やせにくい現在の環境を変える余裕のある人」にのみ有効な言説です。
本当にやせたければ「環境を変えるべき」
やせるための環境が整っていない人、その環境を変える余裕のない人に、意志の問題を突きつけても、逆効果です。近年、医学研究では「健康になるためには環境を変えるべきである」というのが常識になりつつあります。自分の意志だけでは、環境には抗えず、したがってダイエットも成功しにくいのです。
重要なのは、少しずつでも、自分を取り巻く環境を変えていくアプローチ。今回の連載では、過去にブラック企業に勤務し、ストレス過多や長時間労働、睡眠不足、暴飲暴食で40キロも太ってしまった僕が、いかにしてその環境を変えていったか、についても紹介します。
ダイエットが意志の問題であると誤解されやすいのは、肥満解消に本人のセルフマネジメントが求められるからです。そして、これは容易なことではありません。なぜなら、肥満の状態にある人(肥満者)には、特有の「クセ」があるからです。このクセは肥満者から合理的な思考を奪い、より太らせるように働いてしまいます。