運動不足の子どもたちの体に異変が……

最近の子どもは、足の指が変形していることが多く、なかでも小指が「浮き指」になっているといいます。

体を十分に使わないことで、足の小指が地面につかない「浮き指」の子どもが増えている……

足の測定板で足型をつけても、指が4本しか地面についていない状態が「浮き指」ですが、こうした子どもは、しっかり地面をかめて(踏ん張れて)いません。指でかめないため、ふくらはぎの外側にある「腓骨筋ひこつきん」という筋肉が上手に使えず、バランスを崩して捻挫ねんざをしやすくなります。

ほかに、外反母趾がいはんぼしの子どもも多くなっています。足の裏でペタペタと接地し、足の指に体重を乗せずに歩いていることが原因です。体重を乗せずに歩いていると、足の指を広げたり曲げたりという動きをすることがなくなり、足の指の筋肉がどんどん弱ってしまいます。

そこで、朝起きたら、足の指でグー・チョキ・パーの動きをする「足指体操」をするといいでしょう。足の指をしっかり使う癖をつけるのです。寝る前はリラックスして筋肉を使わないことが望ましいので、朝起きた際の自分のルーティンのひとつにしましょう。また、5本指ソックスなどを使って、足の指の筋肉を使えるようにするのも有効です。

片足立ちになっても10秒ピタリと止まってバランスを崩さない人は、自然と足の指を使うことができています。足の指を使う感覚を身につけるためには、10代のうちから意識づけることが大事です。体の内側だけでなく、足の指も意識して使い、体を支えていきましょう。

「週3日」を「3週間」が「習慣化」の極意

世の中にはたくさんのトレーニング法があります。自分に合うか合わないかを見極めるポイントは、「週3日」を「3週間」続けてやってみることです。

ストレッチにしても、1週間に1回では意味がありません。週3日を3週間やり続けることができれば、ほとんどの方が自分の体の変化を感じます。それが「継続する力」となり、「メンタルの強さ」へとつながります。

木場克己『実践! 体幹バランストレーニング』(プレジデント社)

3週間続けば、3カ月続けられるようになります。3カ月後にはやらないとなにか気持ち悪くなってきます。これが「習慣化」です。習慣化に成功したら、トレーニングメニューへステップアップし、次第にその強度を上げていくことで、強い体幹を手にすることができます。

スポーツをする人だけでなく、すべての人に健康な体になってもらいたい。それが私の願いです。ケガをしない、治療しなくてもいい体になって、生涯健やかに暮らすことができたら、それが一番ですよね。

今回、NHK「趣味どきっ!」のおかげで、「体幹バランストレーニング」に広く関心を持っていただくことができ、本当にうれしく思っています。今後も、子どもからお年寄りまで実践できるようなノウハウにして伝え、「きちんと体幹を使えるようになると健康な体になる」という世の中の流れをつくっていきたいと考えています。

そんな使命感を胸に、今日も人々の体と向き合っています。

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