中国人の行きたい海外旅行先で日本は1位

複数の民間調査によると、外国人旅行者の日本人気は依然として高い。中国、台湾、香港で渡航解禁後に行きたい海外旅行先を聞くと、どの調査でも日本が一番だ。

中国の旅行会社と調査会社および太平洋アジア旅行協会は3月、共同で「新型コロナウイルス収束後における中国人旅行者の意識調査」を中国国内で実施し、「収束したら2020年のうちに旅行をしたいか」という質問に「いいえ」(13%)、「まだわからない」(27%)を上回り、60%が「はい」と回答した。そのうち45%が海外旅行を希望し、行きたい旅行先についてはタイや欧州(共に14%)を抑え日本が18%で1位だった。日本インバウンド・メディア・コンソーシアムが4月上旬に実施した調査でも、中国人の希望する渡航先は日本が44%で1位、タイが14%で続いた。

ペイサー株式会社が4月下旬に行った「中華圏のコロナ終息後の訪日意識調査」では中国人の95.5%、台湾人の88.8%が、コロナ終息後日本に旅行したいと答え、時期としては2020年中に日本に旅行したいと答えた中国人が62.0%、台湾人が43.0%だった。5~8月との回答を寄せた気の早い中国人も2割を超える。海外の観光関係者をヒアリングしても、日本との旅行解禁を「前のめりで」待っているという声を聞く。

出典:ペイサー株式会社「中華圏のコロナ終息後の訪日意識調査

年内には訪日外国人が戻ってくるか

4月13日、オーストラリアの観光大臣は、海外への渡航制限解除は今年のクリスマス休暇になる可能性もあると見通しを述べた。すると、この発言以降「白馬村では12月のオーストラリア人からの予約が入り始めた」と長野県の観光関係者はいう。

大臣は引き続きの感染拡大警戒と国内観光の復興を優先したい考えから、海外旅行を解禁できるのはまだ先、と悲観的な考えを述べたのだが、一部のオーストラリア国民は「早ければ年末には日本へスキーしに行けるかも」と期待し、渡航解禁される(かもしれない)最短のタイミングで旅行に行けるよう動き出している。

観光関係者が思うよりも早く、年内にまずはアジア太平洋地域から訪日外国人が戻ってきそうな兆候はあるようだ。