クレーマーが多用する「身動きがとれなくなる」言葉

クレーマーは、担当者の思考を停止させるための言葉を多用する。例えば「説明責任を尽くしていない」「個人情報保護に反している」「誠意が足りない」といった言葉だ。いずれも言われた側としては、「なにかまずいことをしたかもしれない」とたじろいでしまう。

自分を疑いだして身動きがとれなくなる。これがクレーマーの狙いでもある。こういった典型的な強い言葉には会社としてどのように回答するべきか、事前に共通認識を持っておかなければならない。

③「丁寧に説明すれば理解してもらえる」わけではない

説明と納得は根本的に違う。相手の話を理解しようとする姿勢がなければいかに懇切丁寧に説明をしても相手が納得することはない。悪質クレーマーは、そもそも自分の要求を実現することが目的であるため自分の求める回答がでてくるまで「説明責任を尽くしていない」と言い続ける。

「丁寧に説明すれば理解してもらえる」という担当者の期待は裏切られクレーマーの求めるままに対応することになりかねない。法的な意味での説明責任とは,説明するべきことを説明することに尽きる。それに対して相手が納得するかどうかは別の問題である。

きちんと説明をしたのであれば、「当社としては説明させていただくべきことは説明させていただいています。これをもってさらなる説明は実施しません。ご不満があればしかるべき手続をご検討ください」と言い放って終わらせるべきだ。

正解のない電話への対処法

「なんだ、その対応は。誠意がない」「会社としての誠意を見せろ」と電話越しに平気で罵声を浴びせるクレーマーもいる。「あなたのその言い方こそ誠意がない」と思わず突っ込みたくもなるかもしれない。

「誠意がない」と言われるとまじめな人ほど「自分の対応に間違いがあったのではないか」と疑心暗鬼になるものだ。クレーマーは、こういった担当者が疑心暗鬼になって自信を失う状況を求めている。

クレーマー対応をしている人からは、「いったい相手が何を要求しているのかよくわからない」という相談を受けることが珍しくない。相手としては,意図的に要求内容をぼかしているときもある。

例えば具体的な金銭を要求すれば、恐喝と指摘されることもある。それが「誠意を見せろ」と言い続けて会社が金銭を支払えば「会社が勝手にやったこと」と言い逃れできる余地も生まれてくる。