免疫細胞が活性化する「フィトケミカル」
ガンマ・デルタT細胞とは、免疫細胞のうち、がん細胞と闘うT細胞の一種で、ナチュラル・キラー細胞などと同様に異常のある細胞を見つけて攻撃する細胞です。皮膚、肺胞、腸管などのバリアとして働き、全身に異常がないか、くまなく監視する役割を担っています。
ケトン食を取ることでガンマ・デルタT細胞が増加し、インフルエンザウイルスが肺に入り込むのを防いだというわけです。
では具体的にはどういった食事が「ケトン食」なのでしょうか。「白澤式ケトン食」は、炭水化物を減らし、様々な種類の肉・魚・野菜を積極的に食べるよう指導しています。いきなりすべての炭水化物を我慢する必要はありません。まずはパンや麺類を控え、白米を玄米にするところから始めてください。
ケトン体を増やすには脂肪の少ない肉の赤身や、羊肉(マトン)を食べるといいでしょう。魚であればイワシやアジ、サンマ、カツオなどの青魚など。サバの水煮缶などもおすすめです。
たんぱく質と脂質は、ホルモンの材料となるため、「ストレスホルモン」であるコルチゾールを分泌する副腎を元気にしますから、こうした食事は二重の意味で免疫力の向上に役立ちます。
また最近、免疫細胞は多種多様な「フィトケミカル」によって機能していることがわかってきました。フィトケミカルとは野菜や果物に含まれており、植物が紫外線や昆虫などの有害なものから身を守るために作られた色素や苦み、香り成分のことです。ポリフェノールやカロテノイドのほか、フラボノイド、セサミン、カプサイシンなどがフィトケミカルの一種です。
これらを多く含むのがブロッコリーで、実に200種類以上のフィトケミカルを含んでいます。ブロッコリーはアブラナ科ですが、アブラナ科の植物にはほかに小松菜、チンゲン菜、カリフラワー、ルッコラ、キャベツなども含まれます。このほか、玉ねぎやきのこ類、ベリー系の果物、種子などにもフィトケミカルが多く含まれており、免疫力を高めます。これらをメインに様々な種類の野菜、果物を積極的に取りましょう。
市販の野菜ジュースや濃縮還元の果物ジュースでは、野菜不足を補うことはできません。食物繊維は取れないし血糖値を上げるので避けたほうがいいでしょう。
それよりも、ほんのひと手間で野菜の栄養を取れるスムージーやベジブロスを作りましょう。
スムージーは野菜と果物をミキサーにかけたジュースのことで、美容方面では少し前からブームになっていますが、野菜の成分を体に取り込み免疫力を高める手軽な方法として、注目されています。
例えば小松菜とリンゴ、ヨーグルトをミキサーにかけたグリーンスムージー。菜の花とグレープフルーツ、ヨーグルトを合わせた春らしいスムージーなどもおすすめです。果物をジューサーにかけて果汁だけを飲む人もいますが、これは食物繊維という大事な部分を丸ごと捨てることになりますので避けましょう。