「ダンゴムシをじっと見つめる子」を褒める
小さい子供は好奇心の塊だ。自分の身の回りにあるさまざまなことに興味・関心を抱く。公園でダンゴムシを見つけたら、それを飽きることなくじーっと眺めていたり、小さな石を集めては延々と並べてみたり。何がおもしろいのか大人には分からないようなことに、子供は夢中になって取り組む。
だが、いつも時間に余裕があるわけではない。そんな姿を見てしびれを切らした親は、「早く行くわよ!」「いつまでやっているの?」と子供の好奇心を遮ってしまう。これが子供の自主性を奪うことになるとは気づいていない。
同じ場面でこう声かけをしたらどうだろう?
「よく見つけたね!」
「へぇ~、おもしろいことを考えたね!」
「わぁ、こんなに頑張ったんだね!」
このように、子供自身が率先してやっている行動を認め、褒めてあげると、子供は「積極的にやることはいいことなんだ」と実感し、自分で行動できるようになる。だから、子供が何か自分から始めたら、親はちょっと大げさでもいいくらいに褒めてあげてほしい。幼少期にこうした経験をたくさん積ませることが、自主性を育む。
朝ごはんで聞く「今日は何をやる?」
自分から行動できる子にするには、幼い頃からの親の関わりが大切になる。とはいえ、何か特別なことをする必要はない。朝起きて、朝食を食べている時に、「今日何やりたい?」と聞くだけでいい。
はじめは「今日何やりたい?」と、子供にやりたいことを聞く。次第に「今日は何をやる?」に問いを変え、子供自身にやることを決めさせる。やることが増えてきたら、「今日は何をやるほうがいい?」と、子供自身に自分の行動を選択させる。ここで大事なのは「何をやるか」という中身ではない。「これをやる」と子供自身に決めさせることだ。
字が書けるようになったら、「今日やること」をメモする習慣をつけておくといいだろう。その際、やり残しがあっても、叱らないこと。「じゃあ、明日はどうしたらいいかな?」と問いを投げかけ、子供自身に考えさせる時間を渡してほしい。そうやって、失敗をくり返しながら、修正をし、子供は成長していく。