コロナの副作用で亡くなる命もある
ここまで見てきたように、コロナウイルス封じ込め対策は経済や教育を通じて、人の命に対しても、子供のこれからの人生に対しても、大きな副作用がある。毎日大々的に報道される感染者数と違い、これらの副作用ははっきりとは目に見えないがために軽視されがちだ。しかし、本来はコロナで亡くなる命も、副作用で亡くなる命も、奪われてしまう子供の人生も同じように尊いはずだ。
そもそも、2月25日に政府の新型コロナウイルス感染症対策本部が決定した「基本方針」でも、対策の目的として「社会・経済へのインパクトを最小限にとどめる」ことが明記されている。政府には感染拡大防止だけに目を向けず、もっと広く長期的な社会・経済への影響について俯瞰的な目配りも忘れないでほしい。
このような主張をすると、命を守ることが先決だといわれることは百も承知だが、経済や教育における「取り返しのつかない」損失はまさに命や人生に直結する問題なのである。