「検討します」「(その件は)持ち帰ります」という英語表現に存在しない

●会議中:コメントを控えるべき際に、「No comment」はNG

コメントを控えるべき際に、「ノーコメントです」の直訳のつもりでNo comment. と言うとぶっきらぼうで冷たく、丁寧さに欠けます。ビジネスでは角が立たないように対応したいので、次のような表現を使います。

I’m afraid I’m not in a position to offer an opinion on that.
恐れ入りますが、それについては私自身の意見を言う立場にはおりません。
It’s not my place to say anything.
私には何とも言えません。
※「立場的に」のニュアンス。
●会議の最後:「検討します」「(その件は)持ち帰ります」という英語表現に存在しない
マヤ・バーダマン『外資系1年目のための英語の教科書』(KADOKAWA)

「検討します」はその場での回答や決定を避けるときに使い、「ややno」の意味合いが含まれます。直接的に断るのを避けて丁寧に表現する役割がありますが、これを英語に訳すつもりでI’ll think about it. と言っても、そうしたニュアンスは含まれず、ただ「考えます」として受け取られます。曖昧で、前向きに考えるのかやんわり断っているのかがわからず、相手を迷わせる可能性があります。

同じように、「(その件は)持ち帰ります」といった表現も英語にはありません(直訳にしたWe will take it back. は使われません)。英語圏だけでなく、他の国や地域の人とも仕事をする中で、特に期限や仕事の進め方・役割などを言葉によって曖昧にするのは危険です。

日本人や日本語に理解のある人には「検討します」の裏にある本当の意味が以心伝心で理解できたとしても、グローバルな現場では相手に伝わらないことがほとんどです。

外資系企業のミーティングではアジェンダや結論という「着地点」がはっきりしていることから、「検討します」や「持ち帰ります」のような表現の出番があまり無いのかもしれません。

写真=iStock.com/Sam Edwards
※写真はイメージです

もしその場で答えられない、またはnoと断言できない場合は、曖昧さを残さない次のような表現を参考にしてください。

I will think it over and get back to you.
少し考えてからご連絡/ご回答いたします。
I’ll discuss this with my manager [team] and get back to you.
マネージャー[チーム]と確認して(折り返し)ご連絡いたします。
Let me think about it.
考えさせてください。(本当に考えるとき)
I would like to give it some thought.
少し考えたいです。
I’d like to think about this a little further.
もう少し考えたいです。
Can I get back to you on this next week?
来週お返事しても良いですか?
May I think this over for a day and get back to you?
一日検討してから折り返しをしても良いですか?
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