「躊躇せず行動する」と豪語していた日銀は身動きがとれない状態

日本政府は現在、新型コロナ感染拡大を止めることに躍起になっています。また、資金繰りが厳しい企業に対しては、政策金融公庫などを通じての融資や保証の拡充を決めています。

いら立たしいのは、日銀です。いま(3月11日時点)のところ全く動きを見せていません。

これまで、「緊急時には躊躇ちゅうちょせず取りうる行動を取る」と明言していた日銀・黒田東彦総裁ですが、どういうことなのでしょうか。新型コロナ倒産と呼ぶべきニュースが日々聞こえているのに、これ以上、企業を見殺しにするつもりでしょうか。

とはいえ、日銀は繰り出せる策は限られています。考えられるのは、せいぜい「マイナス金利の深掘り」でしょうか。しかし、これは「理論上」は実施可能ですが、どれだけの効果があるかはまったく不明。むしろ、それでなくても収益環境が悪くなっている銀行の収益をさらに悪化させることになりかねません。

3月18日、19日の政策決定会合に注目だが、結局のところ、金融政策で今回の「ショック」を乗り越えるのは無理だと私は考えます。

政府は財政出動などを機動的に行ってほしいものです。繰り返しますが、企業は、保険の意味も含めて、手元流動性を普段より多めに持っておいてください。

関連記事
3兆円投入のツケ「東京五輪の失敗」で大不況がやってくる
なぜ、年金受給者はラブホテルに通うのか。「濡れなくても、謳歌できる」その訳。
経済評論家が予測!コロナ終息でも不況が止まらない3つの理由
新型コロナで社員に「有休」をとらせる日本企業のおかしさ
新型コロナウイルスで「やってはいけない」5つのNG行動