コンビニ3社の出店傾向と人口の関係

図表1は、東京都におけるセブン‐イレブン、ファミリーマート、ローソンの出店数を一次方程式で計算し、相関関係を出したものです。相関関係とは、統計的に比例関係にあるかを調べるものです。横軸が市場規模=人口数、縦軸が店舗数になっています。

『東京エリア戦略』より

セブン‐イレブンを見ていただくと、0.7641となっています。これは、人口が多いところに出店している確率が76%くらいということを表しています。同じく、ファミリーマートが35%、ローソンが25%となっています。この数字を見ればわかるように、セブン‐イレブンはコンビニチェーンの中でも、人口量を非常に重要視していることがご理解いただけると思います。

単純な人口比ではもう成功できない

一方、スターバックスが多く出店しているエリアも見てみましょう。スターバックスが重視しているのも人口量なのですが、セブン‐イレブンとはちょっと違います。

スターバックスの出店について、図表2のような相関図で表しました。昼間人口の量を横軸に、店舗数を縦軸に線引きするとこのように分かれます。

『東京エリア戦略』より

単純な人口量だけで考えれば、世田谷区が一番多い都市になります。しかし、スターバックスの店舗数が多いのは千代田区と港区、渋谷区です。

ここからわかるのは、スターバックスが重視しているのは“夜間人口”ではなく、“昼間人口”だということです。実は、スターバックスはセブン‐イレブンと逆で、人が「流入してくる街」に出店しているのです。