動画再生による広告収入は公開されていないが、1再生回数あたり0.3円と仮定すると約3億円に上る。しかもYouTuberの収益は、Googleからの広告収入だけではない。企業とのタイアップやイベント出演、グッズ販売などを行う例もある。

出典:インフルエンサーパワーランキング2019 by BitStar

7位となったヒカキンは2018年4月にある番組で、「(年収は)具体的な金額で言ったら、(明石家)さんまさんの3分の1くらい」と答えている。さんまさんの年収は10~15億円程度とみられることから、ヒカキンの年収は3~5億円程度と考えられる。

海外ではどうか。米誌フォーブスがまとめた「もっとも稼ぐYouTuberランキング」(2018年6月1日~2019年6月1日)では、1位はアメリカの8歳児、ライアン・ケイジくんによるおもちゃのレビューチャンネル「Ryan's World」(旧「Ryan ToysReview」)だった。

同チャンネルは2015年に開始し、2019年の視聴者数は2290万人。年収は前年より400万ドル増の2600万ドル(約28億6000万円)だった。2位はスポーツなどのパフォーマンスを披露するチャンネル「Dude Perfect」で2000万ドル(約22億円)。3位はロシアの5歳児、アナスタシア・ラジンスカヤちゃんで、1800万ドル(約19億8000万円)だった。

儲かるユーチューバー、事務所による充実のサポート

YouTuberは個人でもできるが、多くの有名YouTuberは事務所に所属している。事務所に所属すると、企業タイアップの契約がしやすいほか、スケジュール調整や撮影・制作支援などさまざまなサポートを期待できるからだ。

現在、国内にはUUUM、VAZ、Kiii、E‐DGEなど、筆者が把握しているだけで10以上のYouTuber事務所がある。一方、YouTuberと事務所の間でトラブルも起きている。その多くは、収益とサポートに関することのようだ。広告収益から2割前後を事務所にとられてしまうため、サポートの価値を実感できていないと「損をしている」と感じてしまう。

このため、すでに多くのチャンネル登録者を抱えており、事務所にサポートを依頼しなくてもいい有名YouTuberが独立する動きもある。2020年2月、大食い動画で知られる木下ゆうかさんは、事務所であるUUUM離脱を発表した。木下さんは、チャンネル登録者数が542万人を抱える人気YouTuberだ。

木下さんは独立した理由について「新しいことにチャレンジしたい」と語っている。大勢のファンがおり、収益基盤を確立できていれば事務所に所属しなくてもやっていけると判断したのだろう。