UUUM所属YouTuberの平均額は、1再生あたり平均0.26~0.3円程度

広告は入札制なので、広告の繁忙期か閑散期かで金額が異なり、チャンネルの評価・実績でも異なってくる。たとえばUUUMは、Google AdSense収益を公開している。それによると、UUUM所属YouTuberの平均額は1再生あたり平均0.26~0.3円程度。これに再生数をかけたものが広告収入となる。もちろん、この金額は人により大きく異なる上、その時期の広告出稿数や動画の分野によっても異なってくる。

また企業タイアップもYouTuberによって金額が異なり、数百万円程度の収入になることもあるようだ。チャンネル登録者数が多かったり、ゲームや美容などの特定分野に強い場合は単価が高くなる傾向がある。

一般YouTuberは1再生あたり0.05~0.1円程度

ただし、有名YouTuberのように収益を上げるのは簡単ではない。そもそもYouTubeで収益を得るためには、チャンネル登録者数1000人以上、年間再生数4000時間以上というのが最低条件。この条件をクリアしても、広告収入は1再生あたり0.05~0.1円程度だ。つまり再生数10万回でも5000円から1万円程度にしかならない。また、18歳以上でなければそもそも収益も受け取れない。

「収益化はできているけれどごくわずか。正直、お小遣い程度にもならない」。登録者1千人程度のYouTubeチャンネルを運営する40代の男性はそう言う。広告収入は数千円程度だという。「あくまで自分のメディアを持ち、発信できる場としてとらえている。そうでなければやっていられない」。広告収入月額8000円を超えないと振り込まれないため、毎月振り込まれるわけでもないという。

素人でも収益を上げることはできるのか

では、YouTubeで儲けるためにはどうすればいいのだろうか。

ピュー研究所が2019年7月に公表したレポートによると、「13歳未満の子どもが出演している動画」「子どもを対象とした子どもが出演する動画」は視聴回数が多い傾向があるという。「13歳未満の子どもが出演している動画」は、他の動画と比べて視聴回数が約3倍になり、「子どもを対象とした子どもが出演する動画」は他の動画と比べて視聴回数が約4倍だった。2019年の「もっとも稼ぐYouTuberランキング」で1位になった先述のライアンくんのチャンネルは、この2つの条件を両方満たしている。

低年齢の子どもたちは、驚くほどYouTubeが大好きだ。彼らは同年代の子どもが出る動画を好み、それが視聴回数を後押ししている。ある小学生は、「おもちゃ動画や、ゲーム実況動画が好き」という。どちらも保護者から制限されているため、「(自分では遊べないが)見ていると楽しい」というのだ。視聴には代替行為という面があるのだろう。日本でも、有名YouTuberは小学生などにウケている。

ところが、2020年1月から事態が変わってきた。2020年1月、YouTubeは子ども向けコンテンツからの視聴データ収集を停止、パーソナライズド広告表示を中止した。