公正さを徹底しない限り、逆風は強くなる

リベラリズムの本懐はその「公正さ」にある。世間の人びとから支持や共感が集まりやすいものではなく、むしろ市民社会においてはその存在を肯定されたり擁護されたりしにくいようなものにも等しく自由や権利があることを主張する一貫性こそが、リベラリズムを今日まで存続させた原動力であった。

逆説的に思われるかもしれないが、リベラリズムが政治的に活力を取り戻すためには、敵に塩を送ることも辞さない、いわば「空気の読めない公正さ」が必要になる。世間の同情があつまるような存在に「より多くの権利や自由を」付与したくなるのは人情として当然ではあるだろうが、しかしそうすればするほど、かえってリベラリズムには「敵」が増え、逆風は強くなる。

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