このサンプルを基準に各数値を変更することで、どの設問に比重が置かれているか分析していく。
たとえば「年齢」は、20歳から50歳までは、比例して点数が加算されていったが、60歳を超えると、スコアは増えることはなく、減ることもない。サンプルAの年齢のみを50歳としたところ、スコアは57点増の173点となった。これを繰り返し、点数の加算傾向を調べていく。
どう答えれば、LINEスコアは上がるのか
「配偶者の有無」は、既婚者のほうがスコアが高い。面白いのが「子ども」で、子どもが2人だとスコアは最も高く172点、子どもが3人以上だと156点とスコアはそれほど上がらない。子だくさんはコストがかかるということだろうか。
「勤務形態」に関しては、会社員のサンプルを「自営業」にしてもスコアは変わらないが、「無職」や「年金受給者」にすると、なぜか16点加算される。年金は定期的な収入の証しとして見られているのだろうか。
検証で判明したが、アンケートには入力制限が設けられておらず、20歳で勤務歴20年、20歳で年金受給者などというような、現実的にはありえないデータも入力できる。また、それを入力したことによるペナルティ的なスコアの減算もないようだ。
住居関連の質問は、マンションであれ一戸建てであれ、自己所有が評価される。家族所有で33点、自己所有で120点加算されたが、入居年月によるスコアの加算はなかった。
「保険の種類」については、「共済・組合保険」加入の場合160点、「社会保険」では72点加算される。
そして、職種関連の質問でスコアは大きく変動する。まず「勤務歴」が長いほどスコアが上がり、勤務歴20年なら169点加算される。「業種」についてはブルーカラーよりもホワイトカラーのほうが上がりやすくなっており、高いスコアを記録する業種は「官公庁や病院・医療機関、インフラ系」で、逆に「サービスや建設、飲食」は低いスコアとなった。「製造、IT、商社や教育」はその中間となる。一方で、会社の規模は大企業でも中小企業でもスコアは変動しなかった。
大量のサンプルを取り、どの回答が「LINEスコアで高評価となるのか」が判明したところで、大きく加点される回答だけを入力したところ、点数は800点を突破する。すると、LINEポケットマネーで最大50万円を3%の年利で申し込むことができると案内が表示された。ただし、申込時には身分証明書や各種情報の提出が必要になるため、スコア以外の要素での審査があると思われる。そのため、スコア単体で借り入れができるわけではなさそうだ。