世界のインスタントメッセンジャーの利用者は、単純に合算するわけにもいかないが、数十億という単位でいるのは間違いない。そしていずれのサービスも、スマートフォンが出始め各国で普及する前の2010年前後に登場している。当時は、インターネットを昔から利用してたパソコン利用者ではなく、スマートフォンを主に利用する若者から流行っていった。まさに2010年代はスマートフォンと、LINEをはじめとしたインスタントメッセンジャーの時代だったと言える。

メッセンジャーアプリのLINEは、どのように成長したのか

では、メッセンジャーアプリの価値は、利用者数に比例して優劣が決まるかというと、そうでもない。LINEと他のインスタントメッセンジャーでは、文字と音声のメッセージを送るという点では同じだが、追加で利用できる機能では異なる。

たとえば、LINEはコミュニケーションアプリの中で有名キャラクターや独自デザインの絵が送れるスタンプ機能で利用者を増やした。

またたとえば中国の微信は、QRコードによるキャッシュレス決済や、アプリの中で別のアプリを立ち上げることができる「ミニアプリ」をインスタントメッセンジャーとしてはいち早く導入している。

メッセンジャーアプリのLINEは、どのように成長したのか。LINEの成長を振り返ってみる。

堅実な成長を見せるLINE

LINEのサービスを提供する会社はLINE株式会社。韓国最大のネット企業ネイバーの子会社として2000年に日本で設立された企業だ。LINEは日本と韓国、どちらの企業が提供するサービスなのか? と悩む人がいるが、こうした背景がある。

LINEは2001年より検索サイト「ネイバージャパン」を運営。一旦はハンゲームジャパンと合併し、NHN Japanとなるも、2007年11月にはNHN Japanの子会社として再度ネイバージャパンが設立される。新生ネイバージャパンではまとめサイト「NAVERまとめ」などが知られるようになり、2010年6月にはライブドアを完全子会社化。LINEがリリースされたのは2011年6月で、2013年4月にLINE株式会社に商号を変えた。その後LINEは普及していき、2016年7月には東証一部とニューヨーク証券取引所に上場を果たした。

現在LINEでは、コミュニケーションアプリにとどまらず、LINE側が「主なサービス」として発表しているだけでも33種類以上のサービスを提供している。決済サービス“LINE Pay”やマンガサービス“LINEマンガ”など、非常に多種多様なサービスを提供しているが、いつどのようなサービスを出し、拡張していったのか。