教養に対しての誤った認識
「教養は身につけておいたほうがいいが、ビジネスにおいて必ずしも必要ではない」そう思っている人が多いのではないだろうか。しかし、それは、「教養に対しての誤った認識」だと、東京大学大学院教授の藤垣裕子さんは語る。
「日本では、物知りが教養人だというイメージがありますよね。歴史や文学、芸術などの雑学的な知識を増やすことが、教養を身につけることだと誤解しているのです」
この誤解が生まれたのは、昔、日本が欧米に追いつくことを目指し、知識や情報を輸入することに重きを置いていた歴史的背景にある。しかし、インターネットなどを通じて世界中の情報に簡単にアクセスすることができる現代において、情報や知識を持つことの価値は低下している。
「いま、情報を選別し、情報を結びつけて活用し、情報をもとに考える力としての教養が求められています」