論理力の最もいい鍛え方

核となる情報を記憶するには、人に話すことや書くことが効果的です。例えば、本でも映画でも、面白いと思うポイントを見つけ、それを人に話してみる。人に説明しようと思ったら、当然、自分の中で理解し、情報をきちんと整理できないと伝えられません。どこに一番感動したのか、何が一番自分に引っかかったのか。自分はこの作品をどこまで理解しているのかということがわかり、自分の足りないところが見えてきます。インプットしても、それが使えない知識だったらほとんど意味がない。記憶しようと思ったら、その知識を反復しないと頭に入りません。理解、記憶、実践の繰り返しが、記憶の定着につながるのです。

論理力を鍛えようとしたときに1つの方法として挙げられるのが読書です。しかし、読書で論理力を鍛えようと思った場合、ある程度「歯ごたえ」のある論文的な文章である必要があります。普段よく目にしている新聞やインターネットなどの記事は情報にすぎず、論理力を鍛えるのには不向きです。

そこで、お勧めしたいのが、大学受験の問題集を解くことです。社会人なのになんでいまさらと思う人もいるかもしれませんが、お勧めするのは大きな3つの理由があるからです。1つは、大学の入試問題は、古い文献も新しい文献も読んでいる大学の専門家による選りすぐられた文章と問題になっていること。2つ目は、設問があるので、理解できたかどうかを試すことができる。3つ目は、自分で文章を選べないことです。自分の関心のない分野の文章や、初めて知る内容の文章題のほうが力はつきますし、思考力も養成されます。

いまは人生100歳です。50歳でもう1度学び直さないと100歳まで持たないでしょう。年齢とともに記憶力はどんどん落ちていくので、その状態で新しい知識を詰め込んでも効果は薄い。そうなる前に効率のよい頭の使い方を知ることで、その後の人生もより開けてくるのではないでしょうか。

(構成=小野ヒデコ 撮影=宇佐美雅浩)
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