2018年の日本の経済成長率0.81%。経済ボロボロ韓国でも2.67%

国連の統計では、日本の実質GDPの経済成長率は直近の2018年で193カ国中171位の0.81%。経済がボロボロと言われている韓国でも113位の2.67%なのだから低成長ぶりがわかる。

もちろんバブルがはじけて以来、日本の経済成長率の国際順位はずっと130位から190位くらいに低迷していたので、安倍政権が特別に悪いわけではない。しかしながら、安倍政権になってから一番いい年でも141位(2.00%)なのだから、とてもじゃないが経済を立て直したとは言えるはずがない。

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ドル建てで計算する一人当たりのGDPの順位はもっと悲惨だ。IMFのランキングでは3万9304ドルで、調査国中26位で韓国の3万3320ドル(28位)と肉薄されている。安倍内閣発足時の2012年(12月まで民主党が政権を運営していた)には4万8633ドルで15位だったから、なんと9000ドル以上減っているのだ。

ヨーロッパも低成長だが、それをさらに下回るレベル。ドル建てでマイナス成長の現状をもって、経済政策がうまくいっていると誰が言えるだろうか。

経済低迷の原因は首相らの「自分たちは絶対正しい」との思い込み

優秀なブレーンがつき、最大限の金融政策や財政政策を行いながら、こういうことが起こる背景には賢い人をバカにするメカニズムが働いているのではないか。

そのメカニズムが認知心理学で「スキーマ」と呼ばれるものだ。心理学の事典などでは、「かなり複雑で一般的概念についての知識の枠組み」と定義されている。

わかりにくいので例を挙げて説明しよう。

たとえばわれわれは足が6本ついている小さな生き物を見ると、それを初めて見ても「昆虫だろう」と思う。これは昆虫についてのスキーマがあるからだ。人間は、これまでの学習や経験をベースに思考をスキップして、「○○は××である」と瞬時に認知する。

セールスの経験を長く積んだ人の中に「あなたの話はよくわかりました」という応じ方を最初にしてくる人は、「結局は買ってくれない」というスキーマを持つ人がいるように。