相手の心を動かす「準備」のコツ

栗原甚『すごい準備』(アスコム)

11月の第1位は『すごい準備』でした。究極の準備とは、「相手の心を動かす技術」。準備のコツさえつかめれば、「最高の結果」が手に入ります。

「ぐるナイ」「行列のできる法律相談所」「¥マネーの虎」など、数々の人気番組を手がけてきた敏腕プロデューサーである著者の栗原甚氏は、「準備が9割」と断言します。本書は栗原氏が生み出した、相手の心を動かす伝え方、交渉の本質やそのノウハウなど、あらゆる「すごい準備」が公開されています。

交渉と聞くと、「取引先と価格や納期の交渉をする」「プロジェクトを遂行する上で他部門と交渉する」など、仕事のことを想像するかもしれません。しかし「好きな相手に思いを伝える」「妻にお小遣いアップをお願いする」など、恋愛や家庭の場面でも交渉は行われます。

仕事でも恋愛でも家庭でも、準備のコツをつかみ、最高の結果を手に入れる。戦略思考をお持ちの方には、とりわけ刺さる一冊です。

「自己紹介」から人生を変える

第2位は『たった1分で仕事も人生も変える 自己紹介2.0』です。これからは「組織の時代」ではなく「個の時代」。そして「個の時代」だからこそ、人とのつながり、人からの信頼を得ることが、ますます重要になります。

横石崇『たった1分で仕事も人生も変える 自己紹介2.0』(KADOKAWA)

「自己紹介」のハウツー本だと思って本書を手に取ると、良い意味で予想を裏切られるでしょう。今の時代に必要とされる「自己紹介」とは何かを問い直すとともに、自分の生き方そのものについても考えさせられるからです。

会社組織が疲弊している今、もはや「1つの企業、1つの人生」という時代は終わりました。こうした社会では、コミュニティーや業種、分野などを「越境」することが、新しい価値を創造するカギとなります。そして越境において重要なのは人と人をつなぐツール、すなわち「自己紹介」というわけです。

本書には自己分析のための書きこみ式のワークシートも収録されているので、腰を据えて自分を見つめ直したい人は、ぜひこちらのワークに挑戦を。自己紹介のアップデートに役立つでしょう。