「時間がない」本当の原因

ジェイク・ナップ/ジョン・ゼラツキー著、櫻井祐子訳『時間術大全』(ダイヤモンド社)

第3位は『時間術大全』でした。GoogleやYouTube出身の「時間オタク」たちのメソッドが一挙公開されています。

現代人は常に時間に追われており、「時間がない」という言葉が至るところで飛び交っています。それはなぜでしょうか。実はやることが多いからでも、生産性が低いからでもありません。忙しいのをよしとする「多忙中毒」がはびこるとともに、スマホのアプリなどコンテンツが絶えず補充される「無限の泉」に主導権を奪われてしまっているからです。

本書が多くの読者の心をとらえ、世界的なベストセラーとなったのは、「時間を主体的にデザインできているか」という課題に対し、本質的かつ実践的な考え方や戦術を提案しているからと言えます。読み終えたそばから、スマホのアプリをどんどん削除したくなる衝動に駆られるはず。まさに日々の行動を変える力を秘めた、新時代の時間術決定版です。読み逃しのないように。

経営学の入門書に挫折した人向けの1冊

ここからは4位以下の書籍から、注目の書籍をご紹介します。

三谷宏治『新しい経営学』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)

第7位の『新しい経営学』は、これまでの経営学の入門書に挫折してしまった方におすすめの一冊。『経営戦略全史』や『ビジネスモデル全史』などでおなじみの三谷宏治氏による、新時代の「ビジネスの教科書」です。

MBA(経営学修士)では、マーケティングやアカウンティングなど、さまざまな分野の基礎知識を学びます。各分野の専門家が、それぞれ専門別のテキストを使って教えるのが一般的でしたが、本書は、経営に必要なあまたの基礎知識を、横串を通すようにして読者に提供するという、まったく新しい試みに挑戦しています。

さらには理解の助けとなるよう、豊富な事例や各トピックの理解度を試すオリジナル演習問題まで掲載されているという充実ぶり。本書を通じて身につけた知識は、一生使える武器になるでしょう。経営視点を身につけたい方、起業したい方はもちろん、経営学を敬遠してしまっている方にこそ、ぜひともおすすめしたい一冊です。