AI時代が到来し、現在ある職業の半数近くがなくなる時代がやってくるという。私たちは機械の奴隷になってしまうのだろうか。はたして10年後にAIとロボットはどこまで進化し、私たちの仕事にどのような影響を与えるのか。人工知能とビジネス研究のトップランナー2人に話を聞いた――。

「47%の仕事が機械によって代替される」

「靴に搭載された1つのチップでさえ、われわれの脳より賢くなるだろう」と孫正義氏はバルセロナで開催された講演で述べた。「人間は靴より劣った存在になる。そして、その靴を足で踏みつけるようになるのだ」。

オックスフォード大学のマイケル・A・オズボーン准教授らが「10~20年後、米国の雇用者のうち47%の人が行っている仕事が機械によって代替される」という分析結果を公表したのは2013年。衝撃の発表から約4年。いまや人工知能(AI)はプロ棋士を打ち負かし、グーグルの機械翻訳は精度が劇的に向上した。AIとロボットの進化は著しく、人が機械によって仕事を奪われる未来が現実味を帯びてきた。