「老後X000万円」を考えることが老後資産形成のスタート

さて、どうでしょうか。

早見表の段階で明らかだと思いますが「私の老後のX000万円」というのは一人ひとりが望む生活レベルや退職金・企業年金の額などによって、「X000万円」の「X」の差がずいぶん異なってくることがわかるでしょう。

老後を長く見積もるほどに準備額は大きく増えます。これをみて分かるのは、引退年齢を遅らせることができれば、それは老後の目標額を減らす効果も生まれるということです(貯める期間も延ばせる)。またリタイア年齢を早くしすぎることは、老後をさらに伸ばすことになり、準備は困難であることも分かります。

また、毎月の余裕資金を増やしすぎると老後の準備額もいくらでも増えていくことが分かります。なにせ老後を35年、毎月15万円使いたいと考えれば6300万円になるのですから、これはなかなか高いハードルです。現実的な老後予算に軌道修正したほうがいいかもしれません。

写真=iStock.com/noritama777
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こうした数字をいくつか試行錯誤してみたら、ぜひ「自分のX000万円」の不足額を解消する選択肢を実行してみてください。iDeCo(個人型確定拠出年金)やつみたてNISAでコツコツ積みたてていく(できれば夫婦が2口座ずつ持てば理想的)ことで、100万円刻みで目標に近づいてくことができます。

iDeCo:年27万6000円(企業年金のない会社員)
iDeCo:年14万4000円(企業年金のある会社員と公務員等)
つみたてNISA:年40万円

の枠をあなたのビジネスキャリアの残り年数でかけ算してみれば、マックスの準備可能額が見えてきます。財形年金を併用するなら元利合計で550万円まで預金の利息非課税で積み立てができます。各制度をどこまで活用可能か検討をしてみてください。

「見えない不安」ほどやっかいなものはありません。不安を抱えることで足をすくわれるほど悲しいことはありません。

「老後にX000万円」を自分なりの数字に置き換え、準備済み(退職金)のものとこれから準備していくものを切り分けていくことで、目標はぐっと現実的なものとなっていくはずです。

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