政府は現役世代を増やすべく70歳まで働き続けることを推奨、公的年金の繰り下げ受給も、75歳までの拡大が検討されています。そんな時代に、私たちの働く環境はどう変わっていくのでしょうか。また資産形成の大転換とは――。
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80代でやっとおばあさんになれる

人生100年時代というフレーズがすっかり定着しました。これは言うまでもなく、日本社会が科学・医療や住環境の進歩によっていや応なく長寿化していることを表しています。

つい最近まで一般常識だった人生80年という概念は転換し、みんなが一様にぼんやりとイメージしてきた80年前提の人生プランは100年前提にリセットすることが必要になりました。

そこに絡んで今起き始めている常識の大転換はあまたあります。60歳がサラリーマンの定年という最近までの常識は、今では65歳までの再雇用義務化へと法制化されています。早晩70歳までの雇用が一般化して、定年退職と終身雇用をセットにした仕組みはなくなっていくことでしょう。さらには健康寿命を延ばしてできるだけ長く仕事を続けることが当然の美徳となるとともに、「おじいさん・おばあさん」と呼ばれるのは80代から、というふうに変わっていくのではないでしょうか。