香典袋の3文字は「真ん中の文字を少し小さめ」に

ビジネスの取引先や、プライベートの友人知人、家族など、彼らの周辺に「慶事」や「弔事」の場面が生じることはよくあるものです。

そんな状況がめぐってきた方からよく聞くのは、「式での記帳の字が下手すぎた」「香典袋の表書きが難しかった」といったような失敗談ですが、ここでは、字の「配置」の参考にしていただけるよう、慶弔シーンでよく見る文字の実例と共に簡単に解説します。

●「中心線」をイメージし、それにそろえるように文字を書くことが大切。
●3文字のときは「真ん中の文字を少し小さめ」にすると、うまく見える。
●楷書体・行書体・草書体、どの書体でもかまわない。

一字一字は整っていなくてもいい

●相手の方が亡くなってすぐのときは、草書体・行書体は控えたほうがよい。
●葬式や告別式でなく、法事などあらかじめ決まった行事なら、楷書体・行書体・草書体、どの書体でもかまわない。
岡部 修一・岡部 省三『理系の書道家が科学の視点で考えた、誰でも字がうまくなるすごい方法』(KADOKAWA)

以上、この記事では、ふだん私共が提唱している書道理論や法則には深入りせず、あくまで一般の方々にとっての「知っておきたいちょっとしたテクニック」を簡単にお伝えしましたが、一字一字がさほど整っていなくても、文字を書くときの「余白」や「配置」が意識できている人とそうでない人の「字の見え方」には、想像以上の差が出るものです。

記事のはじめでもお伝えしたように、人は一般的に、文字全体を「絵」のようにとらえ、美しいか否かの先入観をもって読み始めるものであり、「配置」や「余白」が整っているかどうかで「字のうまさ」を感じ取るものなのです。

自分の字に今一つ自信が持てないという方であっても、「配置」や「余白」の意識次第で、文字の見え方に“違い”が出る字を書くことができると思います。文字を美しく書くこと以前に、まずは「余白」と「配置」。このことを意識してみるとよいでしょう。

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