「接客を誠心誠意やる」という徹底した教育

要するに、セイコーマートはグループ会社で(協力会社を含む)多くのトラックを持ち、専任ドライバーも抱え、店舗内の商品のほとんどを配送でき、さらに効率的に回れるノウハウも持っている。確かに、これは短期間では構築できないシステムだ。他のコンビニチェーンは北海道の過疎地域に店を出すことはできないだろう。

「ある雑誌記者から言われたことがあります。昨年9月の北海道胆振東部地震の直前に、関西を中心に豪雨の被害がありました(平成30年7月)。彼は和歌山県田辺市で取材を行っていて、喉が渇いたから地元のコンビニに飲み物を買いに入ったそうです。すると店員から『停電でレジも動いてへんのに、売れるわけない』と言われたそうです。

その記者は『そりゃ、そうだな』と納得しました。その後、彼は北海道に地震の取材で来て、同じようにセイコーマートに入った。そうしたら、『冷えてなくて申し訳ないのですが、こちらでよろしければどうぞ』と売ってくれたというのです。

9月だからまだ暑い。停電でさえなければ冷たい飲み物を販売して差し上げたい。それができなくて申し訳ないと謝って、商品を差し出した。当社のサービスはそういうものです。

ずっとそのように教育をしてきました。1万7000人のパートタイマーに関しても、サービスのワークショップを行い、接客を誠心誠意やる、と決めています」

撮影=石橋素幸
セイコーマート店内の様子

右肩上がりより「持続可能性」を大切にする

「なぜなら地域密着だから。

うちの店舗には1日3回来る人もいます。うちしかないから、3回いらっしゃるんです。道内の過疎地域ではスーパーが撤退しています。しかし、うちはできる限り撤退しません。そのための物流システムでもある。社会インフラになっているから撤退できません。

そして、過疎の地域でも店を維持するためにディスカウンター(割引)ではなく、自社生産、物流などの仕組みを通じて安くしています。ひと言でいうとサステナブルなんです。サステナビリティなんですよね。僕は思います。北海道では、日本では、今後右肩上がりだけを志向すると不幸になる、と。特に北海道のような地域だと、どうやって存続していくか。そっちのほうが右肩上がりより重要なポイントでしょうね。店をどんどん増やしていく時代じゃないんですよ」(同)

セイコーマートの特徴とは先ほどの3つに加えて、公益に対する責任感だ。だからこそ、右肩上がりよりも地域生活の維持を大切にしている。(敬称略)

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