フラれても傷つかなくて済む
マッチングサイトがオフラインよりも出会いの機会を提供していると考えられるのには、二つの理由があります。
一つは、たくさんの人のプロフィールを見ることができるから。もう一つは、アプローチして、たとえうまくいかなかったとしても気まずい思いをしなくて済むからです。
マッチングサイトによってルールは異なりますが、自分が興味を持った相手には簡単にメッセージや「いいね!」を送ることができます。マッチングサイト上では本名や勤務先、学校などを明らかにしないこともあり、相手に無視されたところで大して傷つかないという人が多いようです。そのため、かなり気楽に相手にアプローチすることができるのです。
オフラインではなかなかこうはいきません。私もそうですが、多くの人は、自分がアプローチした相手に冷たくあしらわれると傷つくものです。それでも負けずにいろいろな人に声をかけられるほどハートが強ければいいのですが、実際には傷つくことを恐れて、相手にアプローチすることを控えてしまいがちです。その結果、出会いの機会が限られてしまうというわけです。
マッチングサイトは、匿名性を確保し、気軽に相手に声をかけられるような仕組みをうまく作ることで、オフラインでは考えられないほどの出会いの機会を提供しているのです。もちろん、アプローチした相手が、自分のことを気に入ってくれるとは限らないのですが……。
オフラインのほうが、より似たもの同士になる
マッチングサイトでデートに至ったカップルは似たもの同士であると先に述べましたが、オフラインで結婚に至ったカップルと比べると、どちらがより似たもの同士の組み合わせになっているのでしょうか。マッチングサイト上には、出会いの機会の問題がほぼ存在しないわけですから、オンラインとオフラインでカップルの傾向に差があるとすれば、それはオフラインにおける出会いの機会の乏しさが生み出していることになります。
マッチングサイト利用者の年齢・学歴構成を、社会全体の年齢・学歴構成に合わせるような統計的調整を行った上で、カップルの組み合わせが比較されました。その結果、学歴について見てみると、オフラインの結婚のほうが、より多くの同学歴カップルを生み出していることがわかりました。これは、オフラインでの出会いは似たような学歴の人同士に限られがちであるということを示しています。
世の中で似たもの同士のカップルが多いのには、好みの問題もさることながら、機会の問題も強く影響しているんですね。