親の葬式も家族葬より「それなりの規模」でやりたい

次に、「葬式」について。学生に「親の葬式をどのような規模感でやりたいか」を聞いた。結果は次の通りである。

なるべく盛大にやりたい……18%
お金をかけずになるべく多くの人を集めたい……33%
お金がかかるので親族のみでやりたい(家族葬)……46%
葬式はやらなくていい(直葬)……3%

彼らの親世代自身のお墓参りに関する冠婚葬祭総研調査と比べてみた。親世代は「家族葬でいい」が85%、「直葬(葬式はやらず火葬のみ)でいい」が62%と、葬送に対してネガティブな反応を示している。子供からすれば、親が死んだ時、関係者を集めてきちんと弔いたいのに、親自身は「簡素な葬式でいい」という。弔う側と弔われる側での齟齬そごが生じている。

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「きちんと死後を弔いたい」という思いが強いワケ

今の学生は、即物主義社会に育った現代っ子である。死後に意識を向けるよりも優先したいことが山ほどある年頃だ。一般的には若者は葬送への意識が低いというイメージをもっていたが、それはとんだ誤解だったようだ。

なぜ、このような結果になったのか。

若者は「葬送の現実」を知らない。だからこそ、純粋に「きちんと死後を弔いたい」という思いが、結果に強く表れているように思う。

彼らが葬送の担い手になるのが40~50年後であろう。その頃、多死社会は一段落すると見込まれている。費用などの合理性のみを判断基準にしている今現在とは、少し状況が変わっているだろう。

学生と対話を重ねると、見えてきたことがある。二十歳前後ともなれば大方が、祖父母(あるいは曽祖父母)の葬式を一度は経験済みである。誰しもそうであるが、最初の身内の葬式は衝撃的な経験となる。多感なこの時期、初めて芽生えた「弔いの心」は実にピュアなものだ。