2回目にして全中国規模のイベントに成長
さらに、会場には上海だけではなく中国全土や香港、台湾からも集まってきているという。話を聞いたモデラーは上海出身だったが、「聞いたことがない方言が飛び交っている」と笑っていた。ワンフェス上海は、すでに全中国規模のイベントとなった。
日本のワンフェスとの違いはさまざまあるが、ひとつの特徴は、各ブースに展示されているフィギュアの巨大さだった。
数十センチから1メートルに迫るようなサイズのフィギュアが大型のブースに並び、多くのブースで併設されたQRコードを使ってその場で予約・購入することができる。この手の大型フィギュアは、マーベルやDCなどのアメコミ映画や、実写版トランスフォーマーシリーズなどの海外製コンテンツを題材にしたものが多かったが、同じくらい、『西遊記』や『三国志』など中国の歴史的な題材を選んだものも目立っていた。
いずれも彫刻や塗装が細密で、筆者が見て回った範囲では日本円にして10万円前後の商品も目立った。高額なだけでなく、置き場所も選ぶため、前述の中国人モデラーは「あれはお金持ちが買うものですね」と話していた。現代の中国では、それだけ生活に余裕のある層が「フィギュアを買う」という遊びにリソースをつぎ込むようになっているのである。
日本メーカーは現地子会社を設立
この状況に対し、日本のメーカーも動き出している。バンダイナムコは2019年2月、現地に子会社「BANDAI NAMCO Toys & Hobby(SHANGHAI)」を設立。日本のIPを利用したトイホビー事業を開始している。ワンフェス上海にも『週刊少年ジャンプ』掲載作品などのフィギュアを出展していた。
同じくバンダイの子会社で、ガンプラなどのプラモデル製品を管轄するBANDAI SPIRITSも、ワンフェス上海にブースを出展。『三国志』とSDガンダムを組み合わせて中国国内でも人気を博した「BB戦士三国伝」シリーズから、リアル寄りな頭身にアレンジした「METAL ROBOT魂 劉備ガンダム(リアルタイプVer.)」を大々的にプロモーションしていた。