相手の意識を引き寄せる手の動き
相手の話を真剣に聞いていることを示すしぐさとして「うなずき」や「あいづち」があります。とはいえ相手の目を凝視しながら、相手が話すワンセンテンスごとに首を縦に振るようなうなずきは、新入社員のようで威厳が感じられません。海外のエグゼクティブにはこれが上手な方が多く、例えば「相手と視線を軽く合わせながら少しだけ首を傾けるしぐさ」をします。相手の話に聞き入りながら自分なりに考えを巡らせている、といったニュアンスです。避けたほうがよいのが、「顎を上げる」「腕を組む」といった相手の発言を拒否している印象を与えるしぐさです。また、自分の顎や頬などを触るクセのある方がいますが、あまり頻繁だと相手の意識がそこに向けられてしまいます。「両手はテーブルの上に載せ、体の正面で軽く組む」と知的さも演出できます。
一方、自分が話すときには、目線と手の動きを組み合わせることで、聞き手の意識を引き寄せます。会議やプレゼンなど、聞き手が複数人いる場合でも、一定間隔に目を合わせる人を決めて話をすると、目線を合わせた人の周囲にいる人も自分に向けて話されている気持ちになり、集中してもらえます。さらに、効果的に指先を動かして、資料を指したり、指で数を表す動作をしたり、手の高さや広げ方を変えることで、聞き手の集中度は高くなります。
スーツのボタンはいつ留める?
「立ち上がったときにスーツの上着のボタンをスマートに留める」、これはジャストサイズのスーツを着ているエグゼクティブにしかできない優雅なしぐさです。
エグゼクティブの多くは、スーツを自分の体に合わせてオーダーします。スーツは立ったときに最も美しい状態になるように作られていますから、ボタンを留めたまま座ると皺ができてしまいます。それを回避するために、座るときにはボタンをはずし、立ったときにさっと留めるのです。ボタンは2つのときには上だけ、段返り3つのときには真ん中のボタンだけを留めます。
プレゼンで手を動かした後などにシャツの袖がスーツの中に入ってしまうことがあります。談笑をしながら、上着の袖からシャツの袖が1~1.5センチ程度出るくらいにさりげなく調整するしぐさも、サイズの合ったシャツを着ているからこそ様になります。首回りが非常に緩かったり、一番上のボタンが留まらないのでネクタイを締めてごまかしたりすると、首元がだらしなく見えます。