「人生最後の友人ができた」

伝統武道の空手道は、意外にも未経験者が始めやすい種目です。「空優会」代表の高橋優子さん(元世界王者)は、都内などで教室を運営し、約400人の生徒がいます。

空優会代表の髙橋優子さん。チャーミングな笑顔だが、2006年船越義珍杯世界空手道選手権大会優勝などの戦歴を持つ。

高橋さんによれば「空手には『形』と『組み手』がありますが、『形』は1人でもできます。道場は仲間とつながる場所です。空手は伝統武道の中でもケガが少ないので、長続きする人も多く、『道場で人生最後の友人ができた』と話す人もいます」。また、「集中力がつくことで、仕事や学業にも効果が出る」一面もあるそうです。

「競技会に出場する子供には『勝ち負けがすべてではない』と教えます。空手道は体だけでなく、心も鍛えることができるのです」

「心も鍛える」とは?

「例えば、私の一番弟子は中小企業の経営者ですが、『ある年齢になると叱られることも減り、成長しない。でもここでは成長できる』と話していました。礼儀作法のほか、級位や段位があり、帯1つとっても白→黄→緑→紫→茶→黒と昇級につれて色が変わる。60代の黄帯の方が、茶帯の小学生に頭を下げることもあります」

生徒には社長に出世した人もいれば、弁護士や議員秘書もいるとか。

野球好きならアマチュア野球審判員もあります。炎天下や寒い時期でも立ち仕事ですが、現役選手とは違い、60代以降も活躍する審判員も目立ちます。

学生スポーツや学生演奏。こちらは「観る」趣味です。これを薦めるのは「思考の加齢臭」を洗い流す効果もあるからです。その種目に精通した人なら以前との違いを認識できますし、ひたむきな躍動感と若さから“情報のシャワー”を浴びられます。料金も手頃です。ただ、「器を広げる」には、偏狭な母校愛は捨てたほうがいいでしょう。

料理教室。各地にクッキングスクールはたくさんありますが、「お試し参加」などで雰囲気を確かめてから始める手もあります。最近は男性の姿も目立ち、現役世代でハマる人もいます。