「男子の誕生」でこれ以上ない幸福感に包まれていた

それに比べ、紀子さんは美智子皇后の立ち居振る舞いを見習い、公務をこなし、夫に尽くして娘2人を育ててきた。そして、2006年9月6日には男の子を産んだのである。

皇室では秋篠宮文仁親王以来、約40年9カ月ぶりの男子の誕生であった。

皇太子夫妻には男の子がいない。このままでは男系天皇がいなくなってしまう。小泉純一郎首相(当時)が皇室典範を改正して女性天皇を認める方向へ舵を切ろうとしていた矢先だった。

まさに明と暗。紀子さんと秋篠宮家が、これ以上ない幸福感に包まれていたのは間違いなかったと思う。これが次第に暗転していくのである。

秋篠宮家は庁内で比類なき「ご難場」として知られる

まずは週刊誌が、秋篠宮家の職員たちが、紀子さんの厳しいやり方に不満を持っていると報道し始めた。「東宮に比べて、うちは職員の人数も少ないしおカネも少ない」とこぼしているという話も伝わってきた。

たとえば『週刊新潮』(2019年1月3・10日号)は「秋篠宮家は従来、庁内では比類なき『ご難場(なんば)』として知られてきた。仕事量は言うに及ばず、宮邸を切り盛りされる紀子妃の要求なさる作業のレベルが、圧倒的に高いのである」と報じている。

病身の皇太子妃とは違う厳しさを秘めた紀子妃は、週刊誌の好餌になった。

2017年、秋篠宮家の長女・眞子さんと小室圭さんの婚約が発表される。2人は晴れやかに会見を開くが、その後、圭さんの母親の金銭スキャンダルが明るみに出たあたりから、秋篠宮家にアゲンストの風が吹き始めるのである。

その逆風は、日増しに強さを増していった。最初の火の手は学習院から上がる。眞子さんを学習院に入れておけば、あんな身元が不確かな男が寄り付くことはなかった、学習院を軽視した秋篠宮家の教育方針に問題あり、というのだ。

しかし、秋篠宮夫妻はそんな声には耳を貸さず、長男も学習院ではなくお茶の水女子大学附属幼稚園に入園させ、小学・中学も同校に進学させるのである。