若い子から相談される「上司からの友達申請」

中高年にはFacebookが人気です。「ほら見て、すごいものを手に入れた」「一緒に喜んで」と承認欲求を満たす人も多く、ある程度の見栄や体裁は許容範囲でしょう。

ただ、度が過ぎると鼻持ちならなくなりますから、「子供と久しぶりにサッカーをやった」といったほっこりする話題や、日常の人柄をうかがわせる話もアップすれば、好感度が少々上がるのではないでしょうか。

若い子からよく相談されるのが、上司からの友達申請への対応です。彼らは実名で使っているので探せばすぐ見つかりますが、仕事とプライベートを分けたい人が多数派。「これって○○ちゃんだよね?」などと確認したり、いきなり友達申請を送るのは絶対にNG。知らぬふりをして、SNSをやっているかを対面で聞いてから、「繋がっていただけますか?」という具合に話が進むならOKだし、「あまり使っていなくて」ならば拒絶のサインと取ったほうが賢明でしょう。写真のタグ付けは、相手がその場にいることじたいを知られたくないケースが多いので、撮影したその場で可否を聞くべきです。

SNS上の心得とは、どんな人と繋がりを持ちたいか、自分の発信したいことが何なのかを考え、責任を持って発言することに尽きます。家族や職場以外の人と交流を深めることで孤独をそこそこ解消できますし、自尊心もほどほどに満たせます。

それでも孤独から逃れられないなら、補完のために新たに匿名でSNSに登録するか――否、それならばスマホやPCをオフにして、気の置けない仲間と飲み会で愚痴を言い合ったり、家族と話す時間を大切にするほうが建設的です。SNSとリアルな生活とのバランスを保つことこそ大事じゃないかなと……。

高橋暁子(たかはし・あきこ)
ITジャーナリスト
情報リテラシーアドバイザー、元小学校教員。書籍、雑誌、webメディアなどの記事の執筆、コンサルタント、講演などを手がける。著書に『ソーシャルメディア中毒』『できるゼロからはじめるLINE超入門』ほか多数。All About ガイドでもある。
 
(構成=篠原克周 撮影=初沢亜利 写真=PIXTA)
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