ニューヨークまで小室圭さん追いかけ回す異常さ
以後、小室母子に人権もプライバシーもないかのごとき報道があふれ、彼らの人格を否定する内容のものまで出回ったのである。
皇族の婚約者というだけで、これほど一般人をたたくメディアスクラムが起きた例を、寡聞にして私は知らない。
昨年夏、小室圭がニューヨーク州の大学へ法律を学び旅立った直後に、朝日新聞が、「秋篠宮がこのままでは納采の儀は行えないといった」と報じた。
秋篠宮も小室母子の金銭トラブルを憂慮していた。自分たちの報道は正しかった、天下の朝日新聞がお墨付きを与えたとばかりに、今度は、ニューヨークまで出張って小室圭を追いかけ回すに至っては、メディアは正常な判断ができなくなっているのではないかと思わざるを得ない。
私は、小室母子の対応がすべて正しいといっているわけではない。元婚約者との金銭トラブルは、もっぱら母親とその男との男女関係がからんだ問題だから、当事者同士で話し合い、速やかに解決するべきだったとは思う。
週刊誌で初めて「サンデー毎日」が疑問を投げかけた
それをせずに、1年以上がたって小室圭側の出した文書は、「証文の出し遅れ」といわれても致し方なかろう。この親子は世事に疎い。
だが、百歩譲っても、これまでの報道の在り方は、常軌を逸していると思う。
ようやくサンデー毎日(3/10号)が、週刊誌ではおそらく初めて、「ご結婚問題『私はこう思う』」という特集を組み、こうした報道への疑問を投げかけたのである。
まず保守論者の小林よしのりはこう指摘する。
「小室圭氏の母とその元婚約者との金銭トラブルが問題になっているが、なぜ元婚約者の言い分に耳を貸すのか、なぜテレビのコメンテーターがそろって小室氏を批判するのか、そもそもそこが理解不能だ。
これが小室家でなければ『なんてみっともない男だ』と、元婚約者がたたかれるはず。ところが、眞子さまと小室氏の結婚を破局に持ち込みたいという欲望がふつふつとわいている構図になり、それが楽しいという感覚になっている」
「高貴な身分の人の不幸が見たい」という大衆心理
マスコミにあおられて国民は、小室氏は眞子さまの結婚相手にふさわしくないと判断してしまっているとし、
「ご結婚問題では眞子さまの気持ちが最も大切であるはずなのに、その意思がまったく顧みられていない。自由恋愛の勧めをしたのは、父親の秋篠宮殿下だ。それでも『皆から祝福してほしい』と国民の気持ちを忖度する思いはあるだろうから、親としては複雑だろう。
眞子さまにとって恋愛の機会はそれほど多くないはず。自らつかんだ純愛を破局に追い込もうとする現在の流れは、眞子さまの精神状態がどうなるかとても心配だ。(中略)
眞子さまはご結婚の意思が固いといわれている。そうなのであれば、国民の勝手な思い込みだけで破局に追い込むことは、奈落の底に突き落とす結果になってしまうのではないだろうか。そこからは、皇族という高貴な身分の人の不幸が見たい、そんな大衆の嫌な心理が垣間見えてくる」