C (ビジネス・スクールでの)指導法の問題点は、授業で学生が事例データに基づかない意見を述べた場合に、講師はその場でその学生をこきおろすべきだとされている点だ。講師はデータ主導の意思決定の長所を並べ立てる。卒業後、学生の多くはコンサルティング会社に就職し、どこまでもデータ主導型の分析的意思決定を下すことになる。したがって、講義モデル全般が多くの点において、マネジャーが行動を起こすタイミングを決定的に遅らせてしまう。直感を教えることは非常に難しいが、できなくはないかもしれない。

G 直感を伸ばすことは可能だ。人間にはデータでは明確に示されないことを把握する、あるいは、もやもやとした谷の向こう側にあるものを把握する、生来の素質がある。そして人々を直感に基づいて行動に移せるように位置付けることはできる。ただし、直感を奨励する当人が、状況を把握していることが前提だ。シニアリーダーは自分の信念を理解し、それに自信を持たねばならない。

K 経営学の影響がリーダーシップ術の障害となってはいないだろうか。

C 経営学の影響は、すでに20年前からある。将来を明確に見通せるような直感を発達させる一助となる文章の書き方や指導法を発見できればと思っている。過去のレンズを通して将来を見るだけではやっていけない。

G その問題は、ビジネス戦略の文脈の中でも問われていると思う。戦略に対しては、科学的アプローチか直感的アプローチか、という問題がある。しかし大企業でも中小でも、企業経営には戦略以外の要素があることを忘れてはいけない。

過去15年間の品質管理や製造技術における革命は、データ主導やシステム主導、そして統計プロセス制御が主導だった。15年間にわたり、米国経済は、戦略の変化はないまま、製造および品質管理の科学を真剣に取り入れただけで、桁外れの利益を生んできたのだ。

何をなすべきかを見つけだすことは重要だ。しかし、実行すること、しかも見事に遂行することが同様に重要である。後者については、科学的なデータ主導のアプローチは、実に信頼できる手段だ。