●谷田部美穂
JAL、ANA、外資系などで制度や文化の違いはありますが、基本的に働き方が大きく変わることはありません。朝3時からのフライトのこともあれば、昼間の14時に始業のこともあり、生活は不規則になりがちです。大手の航空会社では、1~2年国内線に乗務した後、国際線での勤務が始まります。
働き方が複雑になってくると、例えば15日間は自宅から空港に向かい、残りの半分はフライト先のホテルでの宿泊ということになる。ただでさえ不規則なのに、さらに慣れない海外、しかも時差がある中で睡眠を取ることになります。
また国際線では、12時間を超えるロングフライトもしばしば。そのときは、機内で3時間ほど仮眠を取ります。あまり知られていませんが、大型機には中2階にレストスペースがあります。2段ベッドが8床程度用意されていて、カプセルホテルのような閉鎖された空間になっています。
そんな空間で、短い中でどう快適な睡眠を取るか。毛布を2~3枚使い、足先まで体をすっぽり覆った後、頭にも被ってしまう。私は枕にタオルを巻いて高さを調整したり、乾燥対策として、マスクに好きな香りのアロマを染み込ませて使ったりしていました。
また、体が疲れているときはあえて腹筋をしてみたり、脳が疲れていると思ったときはマッサージや深呼吸をしていました。反対に、夜間のフライト中でどうしても眠いときは、親指の指先を刺激したり、つねったり、カフェイン入りの飴を舐めたり。プラスチック製のツボ押しも使っていました。