「1日5回褒め」で職場の雰囲気をつくる

鈴木颯人『モチベーションを劇的に引き出す究極のメンタルコーチ術』(KADOKAWA)

さらに、褒めることに慣れてきたら、やってみてほしいことがあります。「1日5回」褒めることを意識するのです。1人に向けて5回でも、5人に5回でも、どんな組み合わせでも構いません。褒める習慣をつけるために、クリップを効果的に使う方法があります。毎日、ズボンやジャケットなどのポケットにあらかじめクリップを5つ入れておき、褒めるたびに1つずつ取り出すのです。仮に、1日の終わりにクリップが残っていたら、褒めた回数が少ないことがわかります。すべて残っていた場合は、もっと頑張ろうというサインになります。

こうして可視化できる状態でトレーニングすることで、最初は意識しながらでも徐々に褒められるようになり、褒めることが「習慣」へと変わっていきます。使用するのは、クリップ以外にも、硬貨などでも良いでしょう。

慣れると「褒めポイント」を見つけられる

ふだん褒めることに慣れていない人は、最初のうちは難しく感じると思います。しかし、慣れてくれば、どんどん褒めるポイントを見つけられるようになります。やってみるとわかりますが、人を褒めると、相手から喜ばれます。人に喜ばれると自分もうれしくなります。いわば、“幸せのループ”が生まれるわけです。

まずは1日5回、「褒める」ことにチャレンジしてみましょう。褒める効果をわかっていないリーダーがとても多い中で、惜しまず褒める習慣をつけられれば、それだけで一流のリーダーに近づくことができます。

鈴木 颯人(すずき・はやと)
スポーツメンタルコーチ
1983年、イギリス生まれの東京育ち。Re-Departure合同会社代表社員。サッカー、水泳、柔道、サーフィン、競輪、卓球など、競技・プロアマ・有名無名を問わず、多くのアスリートのモチベーションを引き出すコーチングを行っている。
(写真=iStock.com)
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