ローン返済後は保障がなくなる点に要注意

分譲住宅や分譲マンションを購入するときは、流れに乗って勧められる金融機関の住宅ローンに加入するほうがスムーズですが、このような特約についてはあまり説明されないケースも多いようです。自分でもどんな特約がつけられるかを調べておくといいですね。

自分でローン契約をする銀行を選べるなら、じぶん銀行や住信SBIネット銀行なども選択肢に入れるとよいでしょう。ローン自体が比較的低金利で借りられるうえに、金利の上乗せなしでがんになったときにローン残金が50%になる特約(じぶん銀行)や、八大疾病で就業不能になったときに最大12カ月のローン返済額の保障があり、その状態が1年間続いた場合は住宅ローンの残高分がゼロになる特約(住信SBIネット銀行)などが無料でつけられます。

つけておけば安心感を得られる疾病特約ですが、デメリットもあります。それは、ローン返済後は保障がなくなる点。医療保険の代わりにはならないので注意が必要です。また、保障対象になるケースには細かく条件が設定されていることも理解しておくべきです。例えばがん特約の場合では、治療すればほとんど再発しない上皮内がんなどは、ほぼ保障の対象になりません。しかし、医療保険なら入院費や手術費などの保障は受けられます。

住宅ローンに特約をつけたから安心ではなく、一般の生命保険の保障内容も合わせてチェックし、見直しをするといいでしょう。その際、夫だけではなく、妻の保険も合わせて考えるといいですね。

いざというとき心強いが、医療保険がわりにはならない
伊藤加奈子
「あるじゃん」をはじめ数多くの媒体を立ち上げたメディアプロデューサー。ファイナンシャル・プランナー(2級FP技能士)、All About貯蓄ガイドとしても活躍中。
 
(構成=宇野アキラ 写真=iStock.com)
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