●同僚→●同僚
×:それだと課長の指示と違うんじゃないか?
○:それも面白いな。でも、こうするともっとコンセプトと合わないか?
いきなり否定から入らず、まず相手を認めるワンクッションを。そのうえでさらに上を目指すことを提案すれば、ダメ出しした印象は軽減する。
●部下→●上司
×:最初に言われたことと違いますが……
○:すみません、何度も申し訳ないのですが、一番のポイントはどこかもう1度教えてください
言うことがすぐ変わる上司は、何が大事か自分でわかっていない場合が多い。そこで確認するように話しかけ、要点を改めて整理させよう。
●自分→●取引先
×:その件は伺っていませんが
○:恐れ入りますが、その件はいつの打ち合わせで出ていたか、確認させていただけますか?
相手に非があったとしても、高圧的に責めれば反発を招く。困っている現状を伝えながら、質問形式で事実を認識してもらうのが賢明だ。
●上司→●部下
×:○○さんって、非常識だよね~
○:それをするのって前の部署では禁止されてなかったか?
「自分は正しい。あなたは間違っている」という態度は、対立を生む。間違いを指摘する際は、組織の規約やルールを根拠にするべし。
●同僚→●同僚
×:そのやり方、根本的に意味ないと思うんだけど
○:そのやり方だとムダになる可能性があるから、もう少し考えてみようよ
きつい否定は自己愛を傷つけるので、「無駄になるかもしれない」といった柔らかい表現に変換。さらに手を差し伸べる意思を示せば万全だ。
●妻→●夫
×:そんな言い訳、話にならないわよ
○:もう少し、詳しく説明してもらえるかしら
相手の意見に耳を閉ざしては、事態は進展しない。腹が立っている相手でも説明を促そう。こちらに有利な情報が手に入る可能性もある。
精神科医
京都大学非常勤講師。1961年、広島県生まれ。大阪大学医学部卒業、京都大学大学院人間・環境学研究科博士課程修了。人間・環境学博士。フランス政府給費留学生としてパリ第8大学で精神分析を学ぶ。『上手に「自分を守る」技術』など著書多数。