症状1:競合他社のまねや前例の踏襲ばかりをしてしまう。
症状2:時間よりも完璧な仕事をすることを優先してしまう。
症状3:社内は保身に走る「指示待ち族」ばかりになっている。
症状1は「競合他社のまねや前例の踏襲ばかりをしてしまう」というもので、本来見るべき現実世界の環境の変化を見ずに、競合他社のまねや自社のかつての栄光(前例)に縛られてしまっている状態です。
症状2は「時間よりも完璧な仕事をすることを優先してしまう」というもので、顧客への対応などをさて置いて社内の満足感を優先し、タイミングを逸してしまう状態です。
症状3は「社内は保身に走る『指示待ち族』ばかりになっている」状況で、人事の多くが「減点評価」や上司との「属人的なつながり」(親しさ)の度合いで決まってしまい、部下は上司の顔色をうかがってばかりになっている状態です。
日本企業には「夢のビジョン」が欠落している
この3大症状が、同じような失敗を繰り返す日本企業の現場の実態です。この根本原因は、米国の先進企業が持っている共通の判断基準である「Vision」つまり「夢のビジョン」がないということにつきあたります。
注意していただきたいのは、「夢のビジョン」は日本の企業が掲げているビジョンやミッション、経営理念ではないということ。日本の企業が掲げているビジョンは経営陣の自己満足にすぎません。
本来の「Vision」は「具体的な夢」をさす言葉なのです。たとえば、5年後に実現したい企業の夢は何か、顧客に感動をもたらし従業員が夢中になれる夢や実現させたい理想の状態を、それぞれの企業の事業環境のトレンドや潮目の変化を観察して設定することです。
失敗の解決には組織改革が必要
この「夢のビジョン」を中心に組織を改革することで、日本企業の“失敗”を解決し日本企業を立て直すことができるのです。
まず「夢のビジョン」を策定して、経営陣と従業員が共有します。「夢のビジョン」を起点として、仕事へ愛着心を持ち結果が出るまでやり抜く気持ち、つまりエンゲージメントを持った組織に改革するのです。
次にメンバー一人ひとりが行動する際、その行動が「夢のビジョン」とひも付いているかを判断の基準にします。こうして「夢のビジョン」の実現に向けて判断し行動していけば、「競合他社のまねや前例の踏襲」もしません(症状1の解決策)。