▼owned media 法則4
「ひつじ不動産」ひつじインキュベーション・スクエア

積極的な情報発信でニッチな市場を開拓

「オシャレオモシロフドウサンメディア」なるキャッチフレーズが添えられた「ひつじ不動産」は、シェアハウス専門の情報サイトだ。運営元のひつじインキュベーション・スクエアは不動産仲介業者ではなく、サイトは物件情報の出稿料で成り立っている。

ベースは賃貸情報サイトで情報量は膨大。思わず読みたくなる切り口を重視。https://www.hituji.jp

「競合の多い不動産業界において、『ひつじ不動産』が圧倒的な知名度とアクセス数を誇るのは、シェアハウスというニッチな市場にいち早く着目したからだと言えるでしょう。さらに各物件の紹介記事では、間取りや賃料などの情報だけでなく、その周辺の地域ネタも豊富に用意し、入居後の生活を読者がイメージしやすいよう工夫されています。これはオウンドメディアならではの手法です」

サイトを見ると、単に賃貸物件の羅列ではなく、ひとつひとつの物件情報が質の高いレビュー記事として展開されている。すべての物件をスタッフが直接訪問し、時には最寄り駅からの道中に見られるトピックまで取材することで、信頼性が高い記事づくりがなされている。シェアハウスに関心の低い読者でも、巧みに潜在ニーズを喚起する構成だ。

「問い合わせなどのデータを蓄積して分析し、『シェア住居白書』というレポートも掲載しています。シェアハウスの実態を数値データで示すことにより、入居を検討する読者の不安を軽減するほか、シェアハウス周辺ビジネスの活性化を狙っているのですね」

ニッチな市場だからこそ、見せ方次第で伸びしろがあることを実感させてくれる。ジャンルを問わず、あらゆるオウンドメディアを制作する際のヒントになるだろう。