ただし、相応の予算と労力を要する手法だけに、すべてが成功しているわけではない。なかには1000万円超の大型予算を投じて数千本もの記事を発信しながら、まるでアクセスが集まらなかった失敗事例もあるという。
「いかに検索サイトで見つけてもらうかが大切なので、Googleの検索ランキング決定基準に応じた記事づくりが必要になります。たとえば現状の基準では、1つの記事にどれだけ情報が密度濃く入っているかが重視されるので、短い記事を多く打つよりも、長文の記事をつくったほうが効果的です」
そこで各社は知恵を絞り、多彩な手法でオウンドメディアを運用している。具体的な成功例をチェックしていこう。
▼owned media 法則1
「Lidea」ライオン
消費者とのコミュニケーションを商品開発に生かす
ライオンがそれまでの生活情報サイトを刷新し、オウンドメディア「Lidea」をスタートさせたのは2014年のこと。オーラルケアやヘルスケア、さらには掃除や洗濯など日々の暮らしに役立つ記事を発信するメディアだ。
たとえば最新の記事を覗いてみると、健康な歯を維持するための「予防歯科」のレクチャーや、レインコートを洗濯するコツ、風邪や食中毒を予防する正しい手洗いの方法など、自社の強みを最大限に生かしながら、時節に合わせた記事を発信しているのがわかる。こうして読者を集めることで得られたデータを、商品開発やプロモーションに活用しているのが特徴だ。