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「SonicGarden」ソニックガーデン

社長のブログで自社ブランドを強化

オウンドメディアとして独立したサイトを用意せず、ブログを活用して自社ブランディングに生かしているのが、ソフトウエア開発を手掛けるソニックガーデンだ。

定期的に更新される倉貫社長のブログは、読み物としても面白い。https://www.sonicgarden.jp

まだ零細企業だった2011年の設立時から社長の倉貫義人氏が発信し続けているブログは、そのメッセージ性の強さから、絶大なマーケティング効果を発揮している。つまり、最低限のコストで大きな宣伝効果を発揮している事例と言える。

「これは“ソート・リーダーシップ”と呼ばれる手法です。独特のこだわりや世界観で顧客を魅了する。たとえば、スティーブ・ジョブズのスピーチが好例でしょう。倉貫氏が自社独自の考え方や仕事の進め方を積極的に発信することで、有料広告を出稿することなく、ブログだけで新規顧客を獲得することに成功しています」

ソニックガーデンでは、「納品のない受託開発」というコンセプトを掲げ、完成品を売るのではなく、月額定額で受託開発を行うモデルを運用している。そのメリットや自社の思いを強く訴えることで、会社自体がブランディングされる。これはいわば、生産者の顔が見える産直野菜に近い効果があると宗像氏は解説する。

「理念の啓蒙によって、採用面で強みを発揮しているのもソニックガーデンの特徴でしょう。ソフトウエア開発の現場では、いかに優れた人材を確保できるかが勝負のわかれ目です。いいエンジニアがより多く入社すれば、結果として、企業の競争力アップに寄与することになるのです」

多額の予算を投じなくてもできることがある、という好例だろう。