オンライン・ネットワークの意外な使い方
人の役に立ちたいと思ったら、何かの専門家であるだけでは不十分だ。誰もその人のことをよく知らず、何かあったとき電話してみようと思わないとしたら、どれほど立派な専門家でも意味がない。あの人に聞いてみよう、という気を起こさせるイメージを築くことが、取引や仕事の機会につながるのである。
「専門家であるだけでなく、上手にコミュニケーションを取っている人には、電話する可能性がはるかに高いということが、われわれの調査で明らかになっている」と、ノースウエスタン大学ケロッグ経営大学院の行動科学教授で、社会的・知的ネットワークについて研究するノシール・コントラクターは言う。
フェイスブック、リンクドイン、ツイッターなどのオンライン・ネットワークサイトは、熱中しすぎると弊害を生む一方で、やはり人と人とのつながりを強化するのには役立つ。
相手の欲しい情報のリンクを張ることで、バーチャル世界の友人たちに価値を提供したり、彼らが関心あるビジネスに自分が取り組んでいることを知らせたりすることができる。
記事を書いたりコメントを投稿すれば記憶に残るし、どんな業界でどれほど熱心に仕事に取り組んでいるかも知ってもらえる。これは知り合いになった人たちとの関係を維持するための効率的な方法なのだ。
だが、新しい知人に対してはこれだけでは十分ではない。オンライン・コミュニケーションの利点は、直接会って話すためのきっかけになることだ。
多くの人は、バーチャルでも自分の「知っている」人とのほうが会話を始めやすい。テクノロジーは、直接的なつながりにはかなわないので、新しい知人に関しては、直接会う機会をつくることが重要になる。
誰もが多忙な時代においては、ほとんど会ったことがない人と直接会う努力をすることがより重要なのである。