成果主義下のチームはとてもリベラルなため、自らの目的を果たしたなら、Cチームに移り、その後はDチームに移ることも可能だ。リベラルというと聞こえはいいが、これは単に人が渡り鳥化しているだけのこと。このチームが、危うい派閥を生み出している。新タイプの派閥は、チームから派生した一時的な集まりであって、仕事に対する目的意識や結束力を欠いていることが多いためだ。
このような話を聞くたびに、成果主義とは言いながら「なんだかんだ言って大きなビジョンを掲げても、ポシャッてしまえば終わりだ」という刹那的な考えが組織にはびこり、目先の評価だけで社員が行動しているように思う。危うくもろい派閥が生じては消えるという、渡り鳥ばかりが繁殖するような企業体に5年後、10年後はおそらくない。
さて、「自決型死亡」者数の動向については、今後もしばらくは増加が続くものと思われる。管理職の若年化によって、「自決型死亡」も連動して若年化する可能性をはらんでいるためだ。
30代の多くは、「これだけ働いても、10年後の自分の姿が全く見えてこない」と大いに揺れている。今の20代後半の管理職登用が始まり、腹が決まってくる34~39歳までは、このまま不安な気持ちを引きずっていきそうだ。30代の「自決型死亡」が今後数年は減らないと思われる理由は、そこにある。
この状況をただぼんやりと見ているわけにはいかない。「成果主義自身の〔成果〕を厳しく見極め、評価制度を検証する時期にきている」と訴える立場を私はとる。