ゾンビのように付き従うだけの与党議員たち
読売新聞も7月26日付の1番手の社説で自民党総裁選を扱っている。
前半で読売社説は「岸田派内には、首相に立ち向かうべきだとの主戦論もあった。既に細田派と麻生派、二階派が首相支持の方針を固めている。岸田氏は、立候補しても展望は開けないとみたのだろう」と書く。
そのうえで「要職をこなして研さんを積み、今後に備えるべきだ。岸田派の結束維持も課題である」と岸田氏に呼び掛ける。ずいぶんと優しい社説である。岸田氏はさぞ喜んでいることだろう。
持論だが、新聞の社説は政権擁護よりも批判に重点を置くべきだ。そのあたりを社説担当の論説委員が理解していないのだろう。
そんな読売社説ではあるが、評価に値することも述べている。たとえば次のような主張は社説として的確だと思う。
「出馬に強い意欲を示す石破茂・元幹事長は、党員の支持を広げる狙いから地方行脚を精力的に続けている。首相とは異なる政策を掲げて論戦を挑んでもらいたい」
異なる政策で論戦を挑んでこそ、国民を巻き込んだ総裁選に近づくことができるのだ。
「3年前の総裁選で、首相は無投票再選を果たした。6年ぶりとなる選挙戦を自民党は党の活性化につなげるべきだ」
沙鴎一歩も指摘したが、「活性化」が重要なキーワードなのである。朝日は「活力」という言葉を使って表現していた。いま政治から活力が失われ、与党の議員はゾンビのように安倍首相に付き従っている。それでいいのだろうか。