プロが判定「転職に向かない人」の共通点8

現状では、同じ会社にとどまっていると給与が減少していく。そこでは少しでも給与の高い会社に転職したいと考えても不思議ではない。

だが、転職しても給与が上がる保証はない。ロバート・ウォルターズ・ジャパンの調査(2018年7月24日)によると、いわゆるグローバル人材といわれる優秀なビジネスパーソンでも「転職で年収が増えた」と回答した人は56%だった。日系企業に限定すると、「前職に比べて給与が変わらなかった」と答えた人が31%、「下がった」が24%で、合計すると55%の人は転職しても給与が上がっていない。

転職で給与を上げるには相応のスキルが求められる。もちろん卓越した専門性スキルは必須であるが、それに加えてヒューマンスキル(対人関係能力)も重視される。

エン・ジャパンの「『ミドルの転職』コンサルタントアンケート調査」(5月28日)によると、年収800万円未満の求職者支援専門のコンサルタントが最も重視するのは「テクニカルスキル」が68%、「ヒューマンスキル」が29%となっている。一方、年収800万円以上の求職者を相手にするコンサルタントでは42%がヒューマンスキルと答えている。年収が高い求職者ほどヒューマンスキルを求められる傾向にあるのだ。

ヒューマンスキルとは、コミュニケーション能力、リーダーシップ、交渉力のこと。そして、この3つの中でもとりわけコミュニケーション能力を求めると回答したコンサルタントが92%もいた。

エン・ジャパンの転職コンサルタントに対する調査(6月28日)によると、転職希望者に面談し、「転職が難しいと思った」という理由として40%が「人柄が転職に向かない」を挙げている。

転職に向かない人柄について、転職コンサルタントは以下の項目をあげている。

転職に必ず失敗する人のイタすぎる話し方

具体的には、以下のようなタイプだという。

「過去の会社や上司の悪口を言う、自分のスキル・経験を面接で高圧的に話す」
「自己過信の傾向がある。また得意技や分野が絞れていない。現状打破の意欲がない」

こうした人柄は、広い意味でコミュニケーション能力などのヒューマンスキルが欠如していると転職コンサルタントには解釈されている。