勝つ投資ではなく、負けない投資を心がけよう
絶対、儲かるから乗り遅れては大変、と思う気持ちが悲劇を招くと真壁さんは忠告する。
「例えば、ウォーレン・バフェットは自分のわからない商品には手を出しません」
世界有数の資産家であるバフェット氏は仮想通貨に対して「一般論として、仮想通貨はほぼ確実によくない結果を迎える」「ビットコインは価値を生み出すものではないから、評価することはできない。そういう意味で言うと本当のバブルだ」と述べている。
では、資産を殖やすのにはどうすればいいのだろう。真壁さんは言う。
「一般の個人は稼ごうとせずに負けない投資をすればいいのです。バフェットは優良な企業の株を、安いときに買ってじっくり上がるのを待つという王道のスタイルで有名ですが、どの株を買えばいいかは素人にはなかなかわかりません。ですから、株価が安くなった、世間が株暴落と騒いでいるときに手数料の安いインデックス型の投資信託を買うことです。いつが底値かは誰にもわかりませんから、ドルコスト平均法、つまり数回に資金を分けて購入して、値が上がるのを待つ。そして急落する前に売って現金化し、また株価が下がるのを待つ。おおよそ5年くらいで波がありますから、そのチャンスを逃さないことです」
法政大学大学院教授
1953年、神奈川県生まれ。一橋大学卒業後、第一勧業銀行(現みずほ銀行)入社。メリルリンチニューヨーク本社勤務、みずほ総研主席研究員、信州大学経済学部教授を経て、現職。